Spiderland
既に他のレヴューが公開されているわけだし、それよりも何を今更といった感じだが、えーい、書いてしまおう。そして、”このレビューは誰のためでもない、私自身のためだ”、ともこの際少々危険だが言ってしまおうじゃないか。そう、書かずにはいられないのだ。
で、何をそんなに気張っているかと言うと、このアルバム、奇跡が起きているのである。へっ、何を抜かしやがる、と二段落目にして早くも聞こえてきそうだが、それでもいい。もう一度言う。奇跡が本当に起きているのである。だって、音楽を聴いていてこんなにも感情をいじくりまわされることってそうあるだろうか。こんなにも繊細で、こんなにも激しく、そしてこんなにも飾り気の無い、そんな音楽なんてそうあるだろうか。暴れ狂う感情の渦の奥底に、常に暖かい何かが在る。1と0の間にある何か。耳を澄ましてほしい。空気を聴いてほしい。まるで脈のうつ音が今にも聞こえてきそうなほど、すべてが生きている。そしてそんな風に耳を傾けていると、自分が今生きている、と感じられるのである。
必要な物はすべてここにある。ありのままの姿。嘘つきには理解できない、奇跡的な音楽である。
Mogwai, godspeed you! black emperor, Shellac, Nina Nastasia等を聴く人はもちろんのこと、Jeff Buckley, Nick Cave and the bad seedsさらには三上寛や町田町蔵等を聴く人にも心から推薦したい。
Spiderland
プロデューサーはアルビニ。
メンバーは後にトータス、バストロ、フォーカーネーション、、。
因みにジャケ写はウィル・オールダム撮影(パレス関係)。
↑のキーワードに引っかかったら買うべきかと、、。
重く、うごめく感じが格好いいですよ。
Spiderland
いわゆる伝説のバンドの伝説のアルバム。
音は淡々と進み、急に狂ったように爆発する。
今のバンドで言うとMOGWAIの原型か。
私にとって人生で(今のところ)ベストアルバムである。
アルバムタイトルの通り深みにはまると抜け出せない
魔術がかかったようなアルバムだ。
Spiderland レコーディングしたのはアルビニじゃなくて、Brian Paulsonです。
ただ、彼らの1stアルバム`Tweez`を録音したアルビニも、自分が手掛けなかったこの作品を「完璧」、“ten fucking stars”と評したそうです。
さて、今でこそpost-rockとかmath-rockなどと言う言葉がありますが、1990年当時そんなジャンルはありませんでした。彼らはこの1枚でその一つのジャンルを作ってしまったのです。
なのに当人達はレコードリリース前にとっと解散しちいまいやがったので、当時これらの曲を実際に彼らがライブで演奏する姿を見た人は地元ルイビルでも相当少ない筈です。(去年期間限定で再結成されたのは別と考えて。)このジャンルが好きな人にとってこのバンドは、ジャズのBeBopが好きな人にとってのチャーリー・パーカーのような存在と言えるのにも関わらず、です。そこがまた伝説をより一層ミステリアスなものにしているのかも知れません。
この作品は今でも米国インディ・シーンで語り草になっており、この分野、「あのレーベル」の中でも結構な売れ方をしてきているそうです。(そっち系の)雑誌の「ベスト50」とか「ベスト100」で今でも決まって上位に入れらるので、当然といえば当然かも知れません。
この作品以降今日まで無数に登場したpost-rock/math-rock系の作品と決定的に違うのは、これほど凄いものを作っていることを本人達はあまりわかっていなかったのではと思えてしまう程の「無垢」な雰囲気と、何より「美しい」という点です。
ありふれた言葉でごめんなさい、米国インディ・ロックの歴史10傑に入る歴史的名盤、です。